2017-12-25

三世代で居心地よく暮らす多世帯住宅|浜松市北区

三人の娘さんを持つM様ご夫婦と、ご主人さまのご両親が同居されているお住まいです。お互いのプライバシーを守りつつも、協力して暮らしていけるような間取りを計画しました。

また、喘息を持っているご家族もいらっしゃるため、空気環境にもこだわった住まいです。

家づくりのポイント

フラットなラインが映える外観

水平のラインがプロポーションを整えています。茶色の腰壁は木目調のガルバリウム。こちらの多世帯住宅は、玄関内部で各世帯に分岐する構造です。
玄関横の空間は、数年後サンルームにすることも検討されています。

共有の和室

玄関からアクセスできる和室。配置上はご両親世帯のお部屋ですが、子世帯もアクセスしやすい場所に部屋を設け、両世帯の共有スペースとして利用されています。夕食は、ご家族でこちらの和室で食べていらっしゃいます。

両世帯をつなぐ玄関

多世帯住宅ですので、玄関は広めです。向かって右がご両親、左が若夫婦の生活空間につながります。洗い出しの玄関に、曲げ加工を施した框(かまち)、正面に造り付けたオリジナルデザインの建具は、共有スペースの和室ともつながっています。
また、玄関が乱雑になるのを防ぐため、大容量のシューズクロークも設けました。

住まい手に優しい仕様

先々のことも考えて、お手洗いは寝室だけでなく、ダイニングやキッチンからも近い場所に配置。入り口を幅広にして、車椅子でも入れるようにしています。

また、写真はありませんが、造作の家具は角を丸くして、やんちゃざかりのお子様がぶつけて怪我をしないように前もって予防に努めています(実際、走り回って頭をぶつけてしまったこともあるようですが、大怪我にはならずに済んでいるとのことでした)。

エピソード

M様邸の家づくりは、ゆっくり、じっくりと進んでいきました。ご家族みなさまお忙しかったこともあり、丸々一年は家づくりの検討を一緒にさせていただいたように記憶しています。

M様若夫婦はアパート住まいをされており、子育てや結露、空気環境などへの不自由を感じていらっしゃいましたので、「こういうふうにしたい!」という強い気持ちとイメージをお持ちでした。夢を語ってくださるお施主様は、我々工務店としてはとてもありがたいお客様です。ご要望をおっしゃっていただけるから形にできることもたくさんあるのです。

もちろん、かたちにはならない漠然としたイメージ、というケースもありましたので、その都度、立体模型を作り、着色し、色を変えたビジュアルをお持ちするなど、棟梁・猿田が丁寧に対応させていただきました。そのほかにも、M様方のご要望やお悩みに応じてたくさんの図面を書かせていただいたことも思い出に残っています(下の写真は、お施主様が保管されていた当時の図面やプランニング資料です)。

家づくりを始める前に、住宅性能についてのご説明をさせていただいたのですが、その際、M様には断熱性能と健康の関係についてもお伝えいたしました。

あまり知られていませんが、部屋間の温度差がヒートショックという現象を引き起こし、それが老齢の住まい手の心筋梗塞や脳梗塞の原因になっているという話です。元々お住まいだった家は、夏暑く・冬寒い、典型的な「昔の家」。リスクのあるご自宅でした。実際、お父様はそのご説明をした直後に蜘蛛膜下出血で倒れています。幸い後遺症などもありませんでしたが、今後のご家族の健康を守るため、新居の家づくりにおいては、住宅性能は徹底的に上げさせていただきました。

関連記事